首都直下地震
首都直下地震とは、今後30年以内に約70%の確率で発生すると想定されているマグニチュード7クラスの直下型の地震を指す。最大で死者13,000人、負傷者170,000人、帰宅困難者6,500,000人、建造物全壊850,000棟と想定されている。保険会社による世界主要都市の地震による損害リスクランキングでは東京都が第1位となっている。首都圏でのBCPの主な被害シナリオとされることが多い。南関東直下地震、東京大地震、東京直下型地震とも呼ぶ。
首都直下地震とは、今後30年以内に約70%の確率で発生すると想定されているマグニチュード7クラスの直下型の地震を指す。最大で死者13,000人、負傷者170,000人、帰宅困難者6,500,000人、建造物全壊850,000棟と想定されている。保険会社による世界主要都市の地震による損害リスクランキングでは東京都が第1位となっている。首都圏でのBCPの主な被害シナリオとされることが多い。南関東直下地震、東京大地震、東京直下型地震とも呼ぶ。
東海地震は、駿河湾内で周期的に発生するマグニチュード8クラスのプレート型地震で、その周期はほぼ100年から150年です。東海地震は前回の発生からすでに150年以上発生していないことから、今後30年以内に発生する確率が84%と言われています。東海地震が発生すると、静岡県を中心に震度7の揺れが発生し、沿岸部には大規模な津波が襲い、大きな被害が生じると予測されています。
パンデミックとは、新型インフルエンザなどの感染症が世界的に大流行することです。
新型インフルエンザは、新型インフルエンザウィルスによって引き起こされます。新型インフルエンザウィルスとは、鳥インフルエンザウィルスが人に感染することで変異し、新たに人から人に効率よく感染するようになったウィルスのことです。人から人に感染するようになればあっという間に大流行すると考えられていますが、現在、鳥から人にまれに感染している段階で、大流行の一歩手前の段階と言えます。
日本で新型インフルエンザが流行すると、さまざまな形で社会への影響があらわれます。まず、企業では社員の大半が出社不能となります。これは本人の発症に加え、家族の感染や、交通機関の停止などにより、出勤が困難となるからです。従業員の不足によってライフラインが停止したり、銀行や自治体の業務が中断する可能性もあります。外出が制限され、食料や日用品が不足するため、社会的混乱や治安の悪化の危険もあります。
パンデミックは、人的被害だけが発生するという点で、地震や水害とは異なります。また、感染が確認されてから大流行するまである程度の時間的余裕があることも特徴です。個人としては、しっかりと予防対策を実行しておくことと、流行してもパニックにならず正しい情報を元に落ち着いて行動することが求められます。企業としては、前もってパンデミックへの対応を定めておき、早めに従業員の感染を防ぐ対策を実施していくことが肝要だと言えます。
パンデミック対策で最も重要なのは食料や日用品の備蓄です。小売店が営業できなくなるため、食料は最低でも2週間分が必要です。また、ティッシュペーパーやトイレットペーパーが品不足になり混乱する可能性があるため、これらの日用品もふだんから多めに備えておくのがよいでしょう。インフルエンザ対策の医薬品としては、マスク、ゴム手袋、消毒用アルコールが必要で、感染の拡大を防ぐのに役立ちます。
洪水や高潮によって、人的被害が発生したり、農地や住宅が浸水被害を受けたりすることを水害と言います。
水害への対策として一番重要なのは、その地域が浸水被害を受けやすい地域かどうかを知ることです。企業であれば、事務所や工場のある場所や原料・製品の流通ルートが水害の危険地域かどうか知っておく必要があります。同様に個人としては自宅や通勤・通学路が浸水しやすいかどうか調べておくとよいでしょう。自治体によっては、洪水ハザードマップや高潮ハザードマップを作成し、公開しているところがあるので、参考にするとよいでしょう。
水害の原因となるのは主に台風や集中豪雨で、こられはある程度予測可能です。気象予報に日ごろから注意し、水害の危険性を感じた場合にはいち早く行動することが必要です。企業にとってもっとも危惧すべき被害は、事務所などが浸水してパソコンなどの業務用機器や重要な書類が被害を受けることです。水害対策としては、これらを浸水しにくい場所に移動させることが最初に求められます。また、道路の浸水や交通機関の乱れなどにより、従業員が通勤できなくなることも考えられます。特に、従業員が帰宅できなくなったときのために、水や食料、毛布などを備蓄しておく必要があります。
近年、特に都市部で局地的な大雨をもたらす、いわゆる「ゲリラ豪雨」が多発しています。ゲリラ豪雨では、狭い範囲に1時間に100ミリを超す雨が降るため、下水があふれたり、細い川の水量が急激に増加したりして都市型洪水を引き起こします。川の下流で雨が降っていない場合でも、上流でゲリラ豪雨が発生している場合、洪水が発生する可能性があり、注意が必要です。
火山災害は、主として火山の噴火による被害と火山ガスの発生による被害です。火山の噴火による直接的被害は、溶岩流や火砕流による人的・物的被害が中心で、このほかに火山灰による農作物の被害、噴煙による航空機の飛行トラブルなどが挙げられます。噴火の二次的被害としては、火山性地震、火災、津波(溶岩の流入による)などがある。火山ガスは噴火にかかわりなく発生し、その場所も火口に限らずふもとのほうでも発生することがあるため、大変危険です。
日本は世界有数の火山国であり、浅間山、富士山、桜島など、100前後の活火山が存在しています。2000年には有珠山、三宅島が噴火し、多くの住民が避難する事態となりました。特に三宅島では火山ガスの影響もあり、避難指示が4年以上も続きました。
火山災害の発生頻度はそれほど高くありませんが、深刻な被害をもたらすため、中小企業がBCPを策定する上で無視することはできません。事務所や工場が活火山の近く(※)にあったり、取引先や原材料の生産地が火山災害の危険地域にある場合には、特に注意が必要です。火山災害では事務所や工場への直接的な被害に加え、農水畜産物の被害(風評被害を含む)が懸念されます。火山灰や火山ガスによる被害は風向きによって広範囲に及ぶこともあります。
自社が火山の近くにある場合は、火山活動が活発になったり避難指示が出たときにどのように行動するかあらかじめ決めておく必要があります。また、取引先が火山の近くにある場合は、取引先に対し、火山災害発生時の対応について協議しておく必要があります。
※活火山はA・B・Cの3ランクに分けられていますが、このうちもっとも危険度の高いAランクに分類されている活火山は、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ケ岳(以上北海道)、浅間山(群馬・長野)、伊豆大島、三宅島、伊豆鳥島(以上伊豆諸島)、阿蘇山、雲仙岳、桜島、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島(以上九州)の13箇所です。東京近郊では、箱根山、伊豆東部火山群、富士山がBランクとなっています。
(気象庁の平成15年1月の分類によるhttp://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/index95zu.html)
原子力災害は、日本においては基本的に原子力発電所での単独事故を想定します。ただし、近年は大規模な地震やテロなどの武力攻撃によって原子力発電所が被害を受ける危険も懸念されています。
原子力事故の主な被害は、放射性物質の流出にや拡散による被害です。
放射線を直接浴びたり、放射性物質に汚染された食べ物を食べたりすることにより被爆すると、放射線の量により健康被害が発生する場合があります。また、放射性物質の流失が微量であっても、メディアで大きく取り上げられることによって、観光客が減少したり、農水産物が売れなくなったりするという間接被害も起こりえます。
2007年の新潟県中越沖地震の際には、東京電力柏崎刈羽原子力発電所で冷却水1.2トンが海に流出し放射性物質が漏洩しました。漏れ出した放射性物質の濃度は低く、健康への影響も無視できる範囲でしたが、海水浴客の減少や農林水産業への風評被害が発生しました。
BCPを策定するにあたっては、原子力発電所の近くに自社の拠点があったり、重要な取引先があったりする場合に注意が必要です。原子力事故では、放射能漏れについて誤った情報や誇大な憶測が流れがちなので、正確な情報を知ることが特に重要になります。消費者や顧客に対し、正確な情報を発信することができるように、事故が発生したことを想定し、対応策をまとめておく必要があります。現在、日本には稼動していないものを含めて20前後の原子力発電所があり、東北地方や北陸地方を中心に分布しています。(参考:日本の原子力発電所HP一覧
http://www.news.janjan.jp/link/0505/0505150050/1.php)
火災は、企業にとって最も危惧すべきリスクのひとつといえます。火災の起こる原因はさまざまで、、地震や落雷などの自然災害による火災、不注意による火災、放火などがあります。しかしほとんどの場合、発生元となった企業に主な責任があり、自社で火災が発生した場合には社会的信用を大きく損ねることになります。
火災による被害としては、信用失墜のほかに、顧客や従業員の死傷、重要な設備や在庫、製品、書類の焼失などが挙げられます。火災の規模によっては近隣に類焼するなどの被害を出すこともあります。
BCPを作成するに当たって、火災を起こさないための対策としては、従業員に火元管理や防火意識を徹底させることが肝心です。工場などで火や危険物を扱う場合はもちろんのこと、給湯室や喫煙所でも火災を発生させないための取り組みが必要です。
火災が発生した場合でも、初期消火をしっかり行う体制ができていれば、大きな被害を出さずに済みます。また、顧客や従業員をすばやく避難させることで人的被害を減らすことができます。そのためには火災報知機や消火器、スプリンクラーなどの設置が必要になります。
火災の発生する可能性のある場所は給湯室、喫煙所、暖房設備、配電盤、ゴミ捨て場などで、これらにくまなく防火対策を施す必要があります。また、火災報知機のサイレンの聞こえる範囲や、消火器の使い方など、日ごろからチェックしたり訓練したりする必要があります。
2001年9月11日の米国同時多発テロとそれに対する米国のアフガニスタン攻撃以降、世界中でテロ攻撃の危険性が高まっています。2005年にはロンドンで同時爆破テロ、2008年にはムンバイで同時多発テロがありました。
米国の同時多発テロで世界貿易センタービルが崩壊したとき、多くの企業が事業を継続するために必要な機能を失い、業務を再開するまでに多くの時間を要しました。そうした中で,いち早く業務機能を復旧させたのが証券会社のリーマンブラザーズでした。同社は世界貿易センタービルに多くの重要な機能を置いていたにもかかわらず、テロから6日後の株式市場再開までには機能を復旧させていました。
リーマンブラザーズがこのようにいち早く復旧できたのは、周到に用意されたBCPがあったからです。同社は世界貿易センタービルに置いているシステムやデータのバックアップを離れた場所で取っていました。このためデータを失うことがなく、機能をスムーズに移転させることができたのです。また、緊急時の連絡体制や復旧体制をあらかじめ決めていたため、情報の混乱や指揮命令系統の乱れも少なくてすんだのです。
このように、あらかじめオフィスやデータ、人員のバックアップを用意しておくことや、緊急時の体制を決めておくことがBCPの基本です。これによって、BCPの目的である事業の早期復旧が可能になるのです。
地震は、日本において最初に想定すべきリスクと言えます。現在、東海地震や南海地震、首都直下地震などさまざまな地震の発生が懸念されています。
大規模な地震が発生すると多種多様な被害が生じます。まず、建物の倒壊や火災の発生により大勢の人が死傷することが考えられます。津波や土砂災害の危険も高まります。交通機関が停止し、帰宅困難になった人が市街にあふれることも予想されます。避難所で生活することになると、体調を崩したり、大きなストレスを感じたりする人も増加します。水洗トイレや風呂が使えなくなり、衛生状態が悪化する危険もあります。
地震では、日常生活だけでなく、経済活動も大きなダメージを受けます。オフィスや生産設備が直接被害を受けることはもちろん、商品や原料の輸送ルートの断絶で事業が滞ったり、風評被害で観光客が激減したりすることも考えられます。
BCPを策定する上では、さまざまな地震対策を考えていくことになります。まず、予防策として建物の耐震化や不燃化、設備や什器の転倒防止、落下防止などを実施していくことが必要です。次に、事後的な対策として、事務所が使えなくなったときに代わりに使うためのバックアップオフィスを定めておくことも有効です。生産設備やパソコンなどの機器が故障した場合に代わりの設備や機器をすぐに利用できるように手配しておくことも必要です。
在庫や商品の被害を防ぐためには、普段から保管上体に気をつけておくことが大事です。また、いざ被害を受けたときにあわてなくてすむように、あらかじめ取引先と震災時の納期猶予などについて話し合い、BCPにまとめておくべきでしょう。
BCPでは、従業員の安否を確認するための連絡網や緊急時の指揮命令系統を確立しておく必要もあります。また、夜間に発生すると従業員が出社困難になりますし、昼間の発生では帰宅困難になります。徒歩などで出勤できる従業員を把握しておいたり、自社の従業員が2~3日程度泊り込むことができるように、水や食料、毛布、簡易トイレなどを備蓄しておく必要があります。